2016年5月30日月曜日

昼休憩のラーメン屋で

こんにちわ、引字圭祐です。
明日からは新潟は雨です。そして少し肌寒いそうです。体調を壊さずに気を付けましょう。

先日の話です。私は職場の後輩を連れて評判の良いラーメン屋さんにやってきました。昼時なのでお店の前に行列が出来ていました。そこへ一人のお婆ちゃんが私達の後ろに並んだ。私は「お婆ちゃんがこんなに味や油が濃いラーメンを食べるんだ?元気だなぁ」と思いながら私たちは前を譲った。するとさらに前にいた方も譲っていき、あっという間にお店の前に着いた。するお婆ちゃんが「ありゃぁ?ここ佃煮屋さんじゃないのかね?」とお店が違った事に気づき、真っ赤な顔をして譲ってもらった方々にお詫びの一礼を一組ずつして去って行きました。

そこのラーメンは評判通り美味しかったです。意外にあっさりして味もしっかりしてますが、濃すぎず美味しかった。

私はまた別の日に再度このラーメン屋さんに向かいました。すると私の前に見た顔が並んでいる。あの時のお婆ちゃんが娘さんとそのお孫さんと並んでいた。お婆ちゃんも私に気づき「あの時の・・・」と気づき声を掛けて一礼した。前回はこの隣の通りに佃煮屋さんがあり、そこに向かうつもりが何故かここに並んでしまったという。確かに佃煮屋さんと家の造りがそっくりなので店の前まで来ないと気付かない。

「本当、ボケちゃってダメね」と笑いながら私に話す。私は「今日はラーメンなんですね?」と言うと「ええっ、まぁね。亡くなった夫が好きだったラーメン屋さんでね・・・」と話を続けた。私は暗い話題になってしまった事を詫びるとお婆ちゃんが首を横に振りながら「私も連れられて一度だけ一緒に食べたんだけど、場所を忘れてしまってね。そうしたら先日場所を間違えてしまったけど、このラーメン屋だと思い出してね。私が我が儘言って今日はここに来ました」と語る。偶然間違えた事で思い出の場所と再会する。何か運命のような話です。

私は一人カウンターに座った。お婆ちゃん達は3人でテーブル席に座る。お婆ちゃん達の席にラーメン3つが運ばれると、小さいお椀が一つ付いていた。お婆ちゃんは誰もいないすぐ隣の席にラーメンをお椀によそい置いた。私はこの日のラーメンは特別な味がした。心まで温まる何とも言えない味でした。

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