休日に秋田の男鹿半島に向かいました。男鹿半島と言えば「ナマハゲ」が有名です。幼い時に両親に連れられて「ナマハゲ」を観に行き、その姿と迫力で大泣きした事があります。その「ナマハゲ」に大人となった私は子供2人を連れて再び会いに行きます。出発前に妻は二人に「今まで悪い事してない?内緒で悪い事をしてたらナマハゲに怖い声で怒られるよ~」とお決まりの恐怖を植え付ける。その為か普段は車内ではしゃぐ二人が妙に大人しい。私は妻に「現地に着いてから話せば良かったんじゃない?」と言うと、妻は「ナマハゲのパワーって凄いのね」と笑ていた。
現地に着くとナマハゲの像やモチーフになっているイラストやポスターが街の中、至る所に目に入る。長女も次男もそれを見つめる。
私が幼い時もそうでした。向かう前に母が「ナマハゲが悪い事をしてる子供を見つけて、怖いをお仕置きをする」と私に告げる。当時の私はそう言われて両親に内緒でキャラメルを隠れて食べた事を思い出した。私は行くのが怖くなって「行きたくない」と言ったり普段は外で駆けまわる事が好きなのに、この時だけは妙に車の中から離れようとせず、じっと外を眺めていた。目的地が近づくにつれて「ナマハゲ」達が街に広がる。私は街に貼られている「ナマハゲ」達を見て恐怖を抑えながら無口になり車内をジッと固まっていた。両親はそんな私を見て苦笑いをする。現地に着き遂に私の前に「ナマハゲ」がやってきた。低い濁声で「悪い子はいねぇか?」と私の目の前に現れる。私はその時に大泣きをして両親に隠れてキャラメルを食べた事を懺悔した。あまりの大泣きっぷりで「ナマハゲ」達も私の頭を撫でながら「おめぇは正直に言ったから悪い子でねぇな」と泣き止まない私を抱きかかえながら写真を撮った。その時の写真は今でも両親が持っていてたまに私に見せてくる。嫌な思い出なのか、今思うと面白い思い出なのか複雑ですが・・・。
そして現在、現地に着くと私の子供達も車内から出る事を渋りだす。私と妻が優しく促しながら手を繋ぎ連れていく。そして目の前に「ナマハゲ」が登場した。長女は至って平気な顔をしていたが、次男は大泣きをして「ナマハゲ」達に懺悔を始めた。「小さい虫を殺しちゃった事」から「妻の化粧品で遊んだ事」「近所の女の子を泣かした事」等ボロボロと泣きながら懺悔をし始める。そして「妻と長女に内緒で、私と次男だけで近所の寿司屋でご飯を食べた」という事まで懺悔をしだした。「ナマハゲ」達もここぞとばかり「寿司屋で何食べた?」と聞いて次男は泣きながら「ウニとかイクラ」と泣きながら答える。周りにいた他の観光客の方々がドッと笑う。私は思わず顔を伏せたが、妻が覗きこむように私の顔を見ようとする。こうして私たち家族と「ナマハゲ」達で記念撮影をする。私は「ナマハゲ」との記念撮影は一度も心からの笑顔で撮った事が無い。私は笑顔を引きつりながら長女は笑顔で次男はナマハゲに懺悔をしてスッキリした顔で抱きかかえられて、妻は怒りの表情隠しながらの笑みだと分かる。
この日の晩御飯は家族で寿司屋になりました。私は「ナマハゲのパワーって凄いね」と言うと妻が「・・・でしょ」と答える。私の家にもどうやら隠れ「ナマハゲ」がいるみたいです。
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