2016年6月22日水曜日

雨の東屋で

週末から新潟は雨ですね。長女がテルテル坊主を作っていました。長女からしてみたら雨は何処にも行けなくなるので大嫌いみたいです。今度、雨の大切さも伝えてみようと思います。今日も引字圭祐のブログに拝見して頂きありがとうございます。

そんな私も先日ですが自宅から少し離れた公園で雨宿りをしていました。結構広めな東屋に一人腰をかけます。外は人通りもなく静かで雨の音しか聞こえない。私は妻に連絡を入れて雨が弱くなったら帰宅すると一報する。私はカバンから小説を出して読書に耽た。少し辺りが暗くなり電灯が付き始めた。気が付くと雨は勢いを増して弱まる気配無く、私はびしょ濡れ覚悟で飛び出そうか考えていた。すると、びしょ濡れの若いサラリーマンが東屋に駆け込んできた。

若いサラリーマンは息を切らしながら小さなハンカチで体を拭く。私は「雨凄いですね?」と声をかけたら漏れ出す息を堪えながら「はい、止みそうにありませんね」と返事を返してくれた。男性は携帯電話を出して電話をしだした。どうやら保育所に電話を掛けて迎えが少し遅れると連絡を入れていた内容でした。雨は激しく降り続き一向に弱まる気配はありません。男性は悩み始めました。私は男性に「雨止みませんね、私も家まで走ろうかな」と言うと男性は「そうですね。自分だけなら良いのですが、娘は濡らす訳には行かないんで悩み中です」と軽く笑う。男性はその後に「保育所から家まで距離が離れていまして、いきなりこういう事言うのも何ですが実は片親でして、しっかり私が面倒や育児しなきゃって思うのですが、どうも上手くいきませんね」男性は深く色々と悩んでいるようだった。

見た感じ20代半ばくらいな感じだ。一人で子育てをして、仕事もして私自身、育児の大変さは分かります。私は妻と協力して子育てをかなり助けられている。今も我が子の良き成長を見続けられるのも彼女のお陰だと思う。しかし男性にはどういう事情かは分かりませんが妻はいません。一人だけで子育てを頑張っているようだ。周りから片親という目で見られる重圧や理解を全くされない事があると言う。今日みたいな日もきっと保育所に子供を迎えに来ているママさん達の噂の的にされてるんだろうなと呟く。「だけど・・・大事なのは娘ですけどね」と笑みを浮かべた。多分彼は私なんかよりも沢山の事で疲れていて、そして一人で抱え込んでいる。私は「近くにいる信頼できる人に、少しでも打ち上げてみたらどうだい?」と言うと男性は疲れた表情して軽く頷く。

暫くしたら妻が傘を持ってきた「いたいた、ここにいると思ったわ」私は妻に「子供達は大丈夫かい?」と聞くと「うん、隣の○○さんの家に預かってもらってる」私は妻から傘を受け取り、男性に渡した「いや、大丈夫ですよ。迷惑掛けられません」と一度断るが私は男性に「大丈夫なんかじゃないでしょ?いいから持って行きなさい。娘さんが待ってますよ」と言うと男性は泣き出した。「すいません、傘を返しに明日またここに来ます」と言って私の姿を見えなくなるまでずっと頭を下げていた。
私は妻と相合傘で帰宅する。妻は「知ってる人?」と聞くが私は「いいや・・・」と私は応えた。

翌日、昨日と同時刻に東屋へ向かうと彼の姿があった。彼は昨日とは違う明るい表情で私に傘を返してくれた。「有難うございます。なんだか色々と助かりました」私は「色々?」と聞き直すと「一人で完璧を演じるのは止めます。近所の方とか同じ悩み抱えてる方とか協力し合えたらって私も思うようになりました」私は「頑張って」と彼にエールを送った。晴天の夕日が沈む中、傘を持って帰宅しました。

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